遺品整理を立ち会いなしで進める場合、「鍵の受け渡し」をどう行うかは非常に重要なポイントです。
郵送や代理人、キーボックスなど複数の方法がありますが、安全性・記録・管理責任を明確にすることが欠かせません。
本ページでは、実際の現場で行っている鍵の受け渡し方法・注意点・必要書類のひな型を、専任担当者の実務経験をもとにわかりやすく紹介します。
初めて依頼される方や、遠方からのご相談にも役立つ内容です。
1)受け渡し方式(候補と特徴)
各方式ごとに、手順・メリット・注意点を簡潔に示します。
A. 追跡付き宅配(書留・レターパックプラス・宅急便)
- 手順:依頼者→追跡付郵送で会社宛(または指定代理人宛)→到着を確認して受領サイン。
- メリット:移動記録(追跡番号)で追跡可能。郵送記録が証拠になる。
- 注意点:郵送中の紛失リスク、受取人確認必須(配達時対面受取が原則)。
B. 宅配業者の対面手渡し(日時指定・本人確認)
- 手順:指定日時で宅配業者に集配依頼、配達員が本人確認の上で手渡し。受領サイン取得。
- メリット:確実に手渡し。配達証明が残る。
- 注意点:事前の本人確認書類提示方法を明確に。
C. 管理会社・管理人に預ける(管理会社通達済み)
- 手順:事前に管理会社と取り決め、委任状・身分証のコピーを提示して預ける。受領印・受領書をもらう。
- メリット:管理会社の記録が残るため信頼性高い。
- 注意点:管理会社の同意が必須。鍵管理ポリシーを確認。
D. キーボックス(現地設置の小箱/ダイヤル式)
- 手順:暗証番号を設定して鍵を収め、依頼者に番号を伝える。作業後は番号を変更または回収。
- メリット:当日受け渡しが容易。物理的受取で時間調整可能。
- 注意点:箱の設置場所の安全性、番号漏洩対策(完了後は必ず番号変更・箱回収)。
E. 代理人が直接持参(士業・不動産会社・親族)
- 手順:代理人の身分確認・委任状受領後に鍵を引き渡す。受領書に署名。
- メリット:信頼性高い。対面で確認できる。
- 注意点:代理人の委任権・身分を必ず確認。
F. スマートロックの一時コード発行(物件が対応している場合)
- 手順:一時コードを発行、作業後コードを無効化または変更。
- メリット:物理鍵の移動不要で安全。遠隔で管理可能。
- 注意点:導入されていない物件が多い・事前合意と使い方の説明必須。
2)共通の事前準備(必ず行うこと)
- 委任確認:依頼者が代理で鍵を渡す/預ける場合は委任状(原則書面)を事前に受領。
- 本人確認資料:依頼者(または代理人)の写真付き身分証コピーを受け取る。
- 受渡しルールの明文化:受け渡し日時、方法、受取人、追跡番号、返却条件をメール/LINEで書面化して合意。
- 鍵管理台帳の作成:受領日時、受領者名、ID・連絡先、追跡番号、受領サイン(写真)を記録。
- 写真記録:鍵を梱包した状態・鍵の写真(鍵の刻印が写らないよう注意)・受領時の写真を保存。
- 保管場所の明確化:弊社保管なら保管担当・場所・期限を決める。期限切れの対処(連絡不可時の処分)も明記。
3)受け渡し手順(例:追跡付き郵送+受領)
- 依頼者に「郵送方法(例:レターパック+追跡)」を案内。発送後、追跡番号を通知してもらう。
- 会社で受け取ったら、受取担当が封を開けずに写真を撮影(伝票と伝票番号含む)。
- 封を開封して鍵の状態を確認、鍵の写真を撮影(刻印は隠すかぼかす)。
- 受領書(電子でも可)に受領印/署名を行い、受領の写真+PDFを依頼者へ送付。
- 作業後の鍵返却方法(返送・現地返却・管理会社返却など)を再確認して実行。
4)受け渡し時に必須の書類テンプレ(使い回せる短文)
A. 委任状(簡易フォーマット)
委任状
私は下記の者を代理人として当該物件(住所:____)の鍵の受領および引渡しに関する一切の手続を委任します。
委任者氏名:____
代理人氏名:____
委任日:____年__月__日
委任者署名:____
B. 鍵受領書(受領時に発行)
鍵受領書
受領日:____年__月__日
物件住所:____
鍵種類:____
受領者(当社)名:____
受領者署名:____
追跡番号(あれば):____
備考:____
C. 依頼者へ送る受領報告(LINE/メールの短文テンプレ)
【鍵受領のご報告】
◯◯様
本日、○月○日、追跡番号 ○○○○ にて鍵を受領いたしました。受領時の写真・受領書を添付します。作業日時は○月○日を予定しております。何か変更があればご連絡ください。家財整理センター 担当:○○(連絡先)
5)安全面の注意・リスク管理
- 鍵の刻印(番号)をSNSに載せない:写真は刻印が見えないよう撮影or隠す。
- 受渡し後は番号/鍵の交換を推奨:作業完了後、依頼者/管理会社に鍵交換の可否を確認。可能なら交換を推奨。
- 長期保管は原則避ける:保管期間を明確にし、期限経過での手続き(連絡不能時は廃棄しない、士業へ相談等)を決めておく。
- 管理台帳の保存期間:トラブル防止のため、少なくとも作業完了から1年は保管推奨。
- 管理会社・大家の協力:管理会社がいる物件は、事前に必ず承諾を取る。
6)ケース別のベストプラクティス(推奨順)
- 代理人(士業・不動産)→ 対面での委任+代理人渡し(最も安全)
- 個人依頼で遠方→ 追跡付き宅配(配達時対面受取)+受領写真・受領書
- 作業当日時間指定→ キーボックス(暗証)+完了後すぐ回収 or 番号変更
- スマートロック導入物件→ 一時コード発行 → 作業後無効化(最も安全で推奨)
7)現場向けチェックリスト(コピーして使える短縮版)
- 委任状受領(要署名)
- 身分証コピー受領(依頼者or代理人)
- 受渡し方法の書面合意(日時・追跡・返却)
- 追跡番号・伝票控えの記録
- 受領時の写真(伝票含む)保存
- 鍵受領書に署名・PDF送付
- 作業完了後の返却方法(確認)
- 完了報告(写真+受領書)を依頼者へ送付
立ち会いなしのご相談・お問合せ
遺品整理やお部屋の片付けについて、
「立ち会えない」「急ぎで片付けたい」「まず相談だけしたい」など、
どんな内容でもお気軽にご相談ください。
専任担当者が、現地の状況やご希望を丁寧に伺い、
最適な進め方・費用・スケジュールをご案内いたします。
お電話・メール・LINEのいずれでも対応しております。
